堀内貴文@論文読み

主に読んだ論文(主にHCI分野)をまとめるために活用します。

A Board-Game for Co-Designing Smart Nature Environments in Workshops with Children

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  • どんなもの?
    子供の想像力・創造力を育むこと、及び、最近のインドアな子供達に自然に接することを促すことを目的とした「カードを使ったボードゲーム」の設計について。ゲームの中で、子供はデザイナーとしての役割を担い、街の公園に設置するスマートオブジェクトをデザインする。

  • 先行研究と比べてどこがすごい?
    都市の中の公園への設置物の提案という、現実味を帯びた要素をボードゲームに取り入れることで子供の自然環境への興味をシームレスな形で誘導することが期待されること。また、スマートシティのデザインをカードゲームの形で実施している例は少ない。ここにCo-Designの要素(i.e. 参加者がデザイン工程に直接な関わりを持つこと)を取り入れていることも希少性UPにつながっている。

  • 技術や手法のキモはどこ?
    ボードゲームを通して「子供の創造力・創造力の育み」と「自然環境(i.e. 都市の中の公園の環境)への興味の促進」の両方を実現(しようと)していること。

  • どうやって有効だと検証した?
    子供を対象とした2回のワークショップの実施(第一回は11歳の男女各2名、第二回は14歳の男女各2名)。子供のデザインしたプロダクトの案は写真と動画として記録され、またプレイ前後にアンケートを実施して子供の感想が定性的・定量的に評価された。また、プレイ中の子供との直接の会話からもフィードバックを得た。(感想:こういうテーマの検証方法の有効性が気になる。)

  • 議論はある?
    現状ではボードゲームを通して完成した子供達のデザインは空想の領域を出ないが、これをヴァーチャルもしくはリアルな空間での形にすることが今後の発展的な課題。また、現状ではプレイ時間が短く、素っ気なく感じられてしまうらしい。

  • 次に読むべき論文は?
    Design of IoT Tangibles for Primary Schools: A Case Study(同じ研究チームの論文)

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