VR‐OCKS: A virtual reality game for learning the basic concepts of programming
どんなもの?
前後左右に移動してスターを取る動作を設計する(スターの感じがマリオに似ている気がする。)動画があるからすごくわかりやすい。デモ動画を作るときは音声もあったほうがベターだと思う(Text to Speech のソフトを使ってでも何かしらの音声が欲しいところ)。
動作を支持するためのブロックの配置位置が画面左側にあるけど、これだと矢印の方向と実際の動きの方向にずれがある;どうして自分の真正面にこの配置台を置かなかったのかが気になる。
必要なコンポーネントが空間に漂っている点はパズル的な感覚があって面白いと思う。
先行研究と比べてどこがすごい?
ScratchやKoduという子供のプログラミング学習用の言語にインスパイアされている。Koduは初めて聞いたけど、Scratchが2Dなのに対して、Koduは3D空間上で自分でフィールドを作成したり、ものを配置してその動作を設定する感じのソフト。
VRというプラットフォームを使用すること自体に今は新規制がある。Koduは2Dのディスプレイの中に再現した3D空間だから2Dのインターフェイスになってるけど、インターフェイスを3DにしたのがこのVR-OCKSとも言える?(ただ、せっかく3Dにしたなら、単純にもともとあったものを立体で表現するだけではなくて、パーツの組み合わせ方自体を立体表現で再現できたほうがいいような気もする(tangibleなどがキーワードか);先行研究に対する価値、という意味で。Kudoは2Dディスプレイでできる中では、かなり自由度の高い表現を直感的な操作で実現していると思う。)
技術や手法のキモはどこ?
グラフィックが綺麗(実装の面では意外と重要なポイント)
BBP (Block Based Programming) に基づく手法を用いている。BBPはシンタックスを学ばなくても対応できるというメリットがあるらしい。
, and , Virtual reality technology, John Wiley & Sons Inc, Hoboken, NJ, 2003.によると、VRには3つの要素(インタラクション、イマジネーション、没入感 immersion)があるが、既存の教育用VRアプリにはこれらが反映されていないものがほとんどだという。「In most cases, systems that pretend to be VR‐based are actually simple 3D environments in which the user can navigate without interacting.」らしい。これは覚えておきたい。
どうやって有効だと検証した?
VR-OCKSで作成したパズルと同じものをBlocklyとKodu(どちらもブロックベースのプログラミング教育用システム)でも作成し、一つのグループはこちらで、もう一方のグループはVR-ICKSをプレイし、その結果を比較した。他の類似の言語で同じものを作成し、VRを活用した本手法の優位性を主張するやり方は結構良いように思える。
より正確には、3回の実験を行い、1回目の実験では大学生を対象としたテストと感想・評価の回収・集計、2回目の実験では小学校高学年を対象としたテストと感想・評価の回収・集計、3回目の実験では子供たちのグループを2つ作成し、それぞれにVR-OCKSで作成したパズルと同じものをBlocklyとKoduで作成しテストしてもらい、その感想・評価の回収・集計を行い、2回目の実験と比較した。
議論はある?
BlocklyとKoduと比較して、好感は得られた。評価手法が子供たちの主観に基づいているようなので、実際にこれがプログラミングの理解につながったかどうかはわからない。これはFuture workだと述べられている。
次に読むべき論文は?
AR-maze: a tangible programming tool for children based on AR technology
(VR空間でゲームを作る場合、tangibleではどういうゲームを作るのかを参考にしつつ、それに現実では表現できない楽しさ・便利さを加えるのが良さそう。)